カバの雄叫び - 医師不足の問題について

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医師不足の問題について2008/06/27 9:15 am

村井知事の最近の発言で、「様々な課題がありますが、現在の長野県にとって最大かつ喫緊の問題は^綮嬋埖の問題と農業が崩壊しかねないほどの深刻な鳥獣被害の問題である」と言われました。

 今、9月定例県議会の最真中であります。
 ‘森林税’や‘高校改革’や‘入札制度’のことなど課題は様々にありますが、最も多くの質問が出されたのが産科医不足を中心とする医師不足の問題です。
 
 なぜ、最近になって急にこの問題がクローズアップされるようになってきたのでしょうか。
 まず、その原因と言われたのが研修医制度の変更によるものとされています。
 確かに3年半前に、研修医制度の根本的な改革により、大学病院の医局に医師不足が生じ、病院から医局への医師の引き上げが、この医師不足の直接の引き金となったことは間違いありません。

 かつて『白い巨塔』と呼ばれた医局の中心たる偉い教授が、医師の人事権を握り、インターンと呼ばれた無給の医者の卵たちも、その支配の下でかつての徒弟制度のように2年間の研修を勤めるというのが、3年半前の制度でした。

 3年半前に、無給から基本給(月30万円程度)支給へと変更され、研修をする病院も自由化され、これまでの医局の支配に関係なく、医学生は研修先を選択することが出来るようになった訳です。

 その結果、地方の病院から‘都会の病院へ’人気のない病院から人気のある病院へと研修医の大きな流れの変化がおこり、一部に医師不足という問題がおこってしまった訳です。

 しかし、色々調べてみますと、繰り返しになりますが「研修医制度の変更」は、医師の不足の問題の大きな引き金ではあっても、根本的な原因は別のところにあるようです。
 
  ひとつには「医師の絶対数(総数)の不足」という問題があります。一定人口当たりの医師の数は、いつの間にか先進諸国の中で、日本は少ない方になってしまったのです。
  医師数は、全国の医学部の卒業生の数から簡単に推測することが出来るので、この状況は厚生省(現在の厚生労働省)の見込み違いと言えるでしょう。

 なぜ、こんな単純な間違いが起きてしまったのでしょう。それは、急速な高齢化社会への突入で、このまま医療費が増大すれば、国の財政がもたないとの認識が厚生省にあったからだと思います。‘医療費の抑制’が‘医師数の抑制’につながってしまったのではないでしょうか。

 事実、医療の専門家に医師不足の問題の原因はと問えば、その答えは『国の医療費の抑制策が根本原因である』と返ってくるのです。

 しかし、原因はそれだけではありません。何故なら、医師の不足は産科・小児科・麻酔科そして最近になって目立って来た外科に集中しています。これまでの原因だけではその説明は出来ないからです。

 これらの科に共通しているのは、夜間・休日をはじめ時間外勤務が宿命となっている点です。
 もうひとつ大事なことは、‘訴訟’のリスクが高いという点です。
 悪意がなくても、人間のする医療にミスや過失はつきものです。一所懸命患者のために苦労した結果で、悪人・罪人にされたらたまったものではありません。
 先程あげた時間外勤務と合わせて、これらの‘キツサ’故にこれらの科が敬遠されてしまうのです。

 今風潮となっている「我は正しい、他に責任を求める」ことが、あまりにもまかり通ってしまうことが、シッペ返しのようにこの問題の大きな原因としたら、我々皆が我が身を振り返ってみる必要がありそうです。

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